大腸の後遺障害

1.大腸を大量に切除した人

結腸の全ての切除など大腸のほとんどを切除した人は第11級の9に該当します。そして、大腸を切除したことによって人工肛門を造設した人は2によって等級を認定します。

2.人工肛門を造設した人

①大腸内容が漏出することによってストマ周辺に著しい皮膚のびらんが生じて、パウチなどの装着が出来ない人は第5級の1の3に該当します。

②①に該当しない人は第7級の5に該当します。

3.大腸皮膚癭を残した人

①癭孔から大腸内容の全部もしくは大部分が漏出する人

a:大腸内容が漏出することによって大腸皮膚癭周辺に著しいびらんが生じて、パウチなどの装着が出来ない人(以下、パウチなどによる維持管理が困難である人。という)は、第5級の1の3に該当します。
b:aに該当しない人は第7級の5に該当します。

②癭孔から漏出する大腸内容がだいたい100ml/日以上の人。

a:パウチなどによる維持管理が困難である人は第7級の5に該当します。
b:aに該当しまい人は第9級の7の3に該当します。

③癭孔から少量でも明らかに大腸内容が漏出する人は第11級の9に該当します。

4.大腸の狭さくを残す人

大腸の狭さくを残す人は第11級の9に該当します。

狭さくとは下記の全てに該当する人を言います。

①1ヶ月に1回程度、腹痛、腹部膨満感などの症状が認められる人。

②単純エックス線像において、貯留した大量のガスによって結腸膨起像が相当区間認められる人。

5.便秘を残す人

便秘とは下記を言います。

①用手摘便を必要と認められた人は、第9条7の3に該当します。

②①に該当しない人は第11級の9に該当します。

a:排便反射を支配する神経の損傷がMRI、CTなどによって確認できる人
b:排便回数が週2回以下で、一定して変わることなく破便であることが認めえられる人

※aまたはbの障害の評価には、便秘を原因とする頭痛、悪心、嘔吐、腹痛などの症状が含まれます。

6.便失禁を残す人

①完全便失禁を残す人は第7級の5に該当します。

②常におむつの装着が必要な人(第7級の5に該当する場合を除く)は第9級の7の3に該当します。

③常におむつの装着を必要としないものの、明らかに便失禁があると認められる人は第11級の9に該当します。