任意保険会社が提示する後遺障害の慰謝料基準の実態

後遺障害の等級に応じて任意保険会社は慰謝料を提示します。これは、通院慰謝料(傷害慰謝料)とは全く別物であり、慰謝料金額は等級に比例します。

ただ、その慰謝料にはかなりの幅(裁量)があります。

慰謝料金額の根拠については任意基準の後遺障害慰謝料といわれます。しかし、裁判所基準と比べると任意基準の後遺障害慰謝料はとんでもなく低い数字です。

通院慰謝料では、任意基準とはいっても裁判所基準の2分の1を下回る金額になる事はありません。しかし、任意基準の後遺障害慰謝料は、裁判所基準の2分の1を下回るのが当たり前になっています。

後遺障害等級の14級を例にしてみると、任意基準として提示される後遺障害慰謝料は40万円が最も多いです。次に同じくらい多いのが32万円です。最初から50万円を提示される事もありますが、最初からこれ以上の提示がされる事はありません。

被害者にとっては、このような低い慰謝料金額から努力して交渉をして「裁判所基準」に近づけなければなりませんので、非常に骨の折れる交渉となります。

もちろん、裁判を行わない場合でも裁判所基準の110万円という交渉結果が出る事もあります。そして、被害者の勝利と言えるのは裁判所基準の8割である88万円でしょう。

保険会社が「任意基準なのでこれ以上は出せません」と40万円の提示をしてくるのはウソだと思って増額交渉をしてください。

いずれにしても、交渉相手は担当者でなく、その上司である事を意識しながら、担当者が慰謝料の増額について上司を説得できるように準備をしてあげるのが交渉テクニックです。このテクニックの前提として、担当者と良好な関係を築いておく事も必要です。なぜなら、「この被害者のためには頑張って上司(会社)を説得してみよう」と思わせる為です。

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  1. 菊池 美樹 より:

    交通事故ではなくスノーボードで後遺症障害診断書を後日、医師に作成していただきますが、交通事故以外でも被害者請求できる機関は(後遺症障害認定)ありますか?
    教えていただければ幸いです。
    宜しくお願いします

    • 戦略法務 より:

      ございません。
      何かしらの保険が適用される場合は、その保険の後遺障害の制度に合致するかもしれません。

  2. 奥智弘 より:

    自損事故で鎖骨骨折、肋骨三本骨折、肺血腫でした。
    完治はしましたが腕の動く範囲が狭くなり、骨盤より髄液を移植した関係で鎖骨もいびつになり太くなっています。
    術後、5ヶ月経ちますが触ると痛く傷も残っています。
    最後に写真を送り査定となるようですが、幾らまで引っ張れるか知りたいくメールしました。
    多分、安く見積られるとは思いますが上限はどれくらいてましょうか。
    また、私個人が交渉して出来る事なのか、交渉人を立てた方が有利なのかも教えてください。
    よろしくお願い致します。

    • 戦略法務 より:

      人身傷害ですか。
      それだと慰謝料は交渉の余地はありません。

  3. 田中 セレナ より:

    私わ脳挫傷と急性こうまっか血腫で2日ほど意識不明で背骨と左足を骨折しました。
    臭覚、味覚、記憶障害があり等級わ12等級らしく、保険会社いわく、前例のない事で示談の提示わまだですか、今年の7月で2年になりますが私の場合どれぐらいの金額提示がありますか?ちなみに事故された後にこんな体になってしまい先が真っ暗で自殺未遂をしました。薬を大量摂取して、ごえんせい肺炎で一歩発見が遅ければ死んでたみたいです。退院してからわ視力の低下がひどくて今、老眼鏡に近いです。物忘れも酷いです。私の場合どれぐらい示談金が下りるのでしょうか?アドバイスお願いします。

    • AK より:

      お聞きする限りでは、後遺障害12級というのは低すぎると思います。もっと上位の等級だと思われ、賠償金については等級、年齢、収入によって異なりますのでここでは回答できません。後遺障害や示談金についてはくれぐれも安易な決断は避けて専門家に一度ご相談していただくのが良いと思います。