症状固定、つまり後遺障害の診断がなされると、それ以降の治療費や休業損害は請求できないの原則です。
後遺障害の初回申請で認定が取れなくとも、異議申し立てを行えば等級が認定されることは多いです。しかし、異議申し立ての為に行う準備にかかる費用は原則として自費です。全てではありませんが、異議申し立ての場合には、医師の診断書や意見書、新たな検査が必要な場合があります。症状固定後では、これらは全て自費となってしまいます。
そこで、症状固定となる前に行える準備(検査)を全て行ってしまい、加害者にその費用を治療費として負担していただこうというのが戦略といえます。
検査には代表的なレントゲン、MRIからCT、PET、脳波検査、H-MRS、腱反射テスト、病的反射検査、筋電図、皮膚温検査などなどなど色々あり、個々の症状によって必要な検査があります。
厳密に言えば、加害者からは「治療のための賠償金ではない」として、とりあえずの補償否定は可能ですが、否定を経験した事がありません。
後遺障害の申請でどういった準備が必要なのか?保険会社に聞いても明確な答えが得られるわけがありません。というより、知らない事が多いです。よって自分の保険会社も同レベルとお考え下さい。
では医師はどうなのか?
レントゲンであれば一般的に初診での撮影が行われますが、MRIを行わない医師もいます。「私の方針でMRIは撮影しない」といった医師も経験済みです。後遺障害のサポートをするにあたって、医師の作成したカルテを手にする事もありますが、診察日をハンコで押し、処方も定型のハンコで連日の連打。これでは、骨折などの明らかな傷病を除き12級以上の後遺障害認定は絶望的です。
医師は、治療に関係のない検査は行わないのが一般的です。なぜなら、医師は治療が仕事だからで、後遺障害を立証するのは専門外だからです。
しかし、それでは後遺障害の説明はできず、等級の認定も難しくなってきます。
つまり、私が伝えたい事は、交通事故受傷後の通院では、そ医師に100%任せることなく、自ら検査の実行を依頼(原因診断)し、場合によっては診察の際に現在の症状をメモにして手渡す程度の準備が必要という事です。
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ある事故で、頸椎捻挫型として14級の後遺障害を獲得した場合、それ以降の事故では、同じ等級の後遺障害は認められないのでしょうか
過去の事故で等級が認定されている場合は、同じ部位・同じ症状に対して新たに等級が認定されることはありません。