頚椎捻挫・鞭打ち・むちうち

頚椎捻挫・鞭打ち

頚椎捻挫は「けいついねんざ」と呼びます。

ムチウチというのは、傷病名ではなく一般名であり、実務では頚椎捻挫をはじめ、頚部挫傷、外傷性頚部症候群などと診断されます。

頚椎捻挫の種類は大きく分けて以下の3種類があります。

・頚部捻挫型
・根症状型
・バレリュー型

脊髄型というのもありますが、これは頚椎捻挫を超えた重篤なものなのでここでは除外します。

なお、むちうちは医学的には徐々に回復していくものであり、悪くなる事はないというのが常識です。しかし、臨床的には増悪を訴える患者も多く、医師もそういった訴えに耳を傾けるべきと考えます。理論的には寒くなれば血行不良により症状が増悪する可能性が十分あり得るのです。

むちうちの治療方法

安静・・・四肢に症状が出ている場合や痛みがひどい場合などは、頚椎ポリネックで固定をします。とはいっても、長期間のポリネックでの固定は避け、10日間程度が望ましいです。

理学療法・リハビリ・・・患部に何らかの刺激を与え治療する方法です。ホットパックによる温熱治療、SSPによる電気治療、牽引による伸張治療などが物理療法と呼ばれ、一般的に行われる治療です。症状によって行っていけないものっがありますので注意が必要です。運動療法と呼ばれる体を動かしてリハビリをするトレーニング療法もありますが、あまり行われていません。

ブロック療法・・・症状が強い場合に、トリガーポイント注射・星状神経ブロックなどを行います。これ治療というよりも症状を一時的に和らげるといった効果が期待できます。頚椎捻挫・むちうちは時間の経過とともに症状が軽減するのが医学的常識なので、ブロック注射によって症状を緩和させているうちに自然治癒力によって治っていくと考えられています。
頚椎捻挫とむちうち

頚椎捻挫の後遺障害への戦略

頚椎捻挫・ムチウチの後遺障害の等級をとることは難しいと言われています。

それはほとんどが自覚症状のみであり、本当に後遺症となっているのか、その説明が難しいからです。したがって、頚椎捻挫の後遺障害の申請では、いかに自覚症状のみの後遺症を説明するかが重要なポイントとなってきます。原則として、交通事故の後遺障害として等級を得るには医学的に立証できている事が必要ですが、レントゲンにもMRIにも異常が出ないむちうちは医学的に立証する事はほぼ不可能です。そこで「医学的に推測できる」状況にしなければなりません。

医学的に推測できる状態にするには、まず、医療機関による治療がしっかり行われている事が一番重要です。

交通事故によってこれら頚椎由来の症状が出た場合、後遺障害の等級を取るのは3%と公表されています。しかし、頚椎捻挫で私が100%のサポートできた場合、後遺障害の等級が取れなかったことは一度もありません。その経験から言えることは、まず、症状の裏づけとなる通院・加療の方法が一番重要であることは確かです。

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  1. トオル より:

    41才 信号停止中にノンブレーキで追突されました

    事故当初 すぐに病院へ行き、頚椎捻挫と診断されました
    約8ヵ月  牽引 温熱療法  で100日ほど通院してましたが
    これ以上よくならないと言うことで症状固定となり後遺症障害を申請するにあたりMRI検査をしたところ頚椎椎間板ヘルニアと診断され筋電図などの検査も実施しました

    また、事故以前の過去には 全く症状もなく内科程度の病院しか通院したことがありません。健康保険で使った過去の既往歴を取り寄せ中です。

    以下 後遺症診断書の内容ですが 認定されるでしょうか?されるとしたら何等級になりそうでしょうか?また今後のアドバイスお願い致します。

    【傷病名】外傷性頚部症候群、外傷性頚神経根症
    【既存障害】無し
    【自覚症状】頚部痛 項部痛 左頚部の張り。首が回らない。左肩が後方へ伸びない。左上肢がだるくなる。左上肢に力が入りにくくなる。仕事中に注意力が低下し、能率が低下する。
    頚部。左肩。左上肢の違和感のため。睡眠が障害される。
    【他覚症状】知覚は正常であるが、左手指、特に、Ⅰ、Ⅱ指のしびれ感が強い。
    反射は深部腱反射で。左上肢と両側の膝蓋腱反射にて、亢進している。病的反射は陰性。筋力は、左上肢にある。握力は、経過中に悪化している。右が34 33 18㎏と低下してきた。左は、29 22 9㎏と低下してきた。筋萎縮はなし。
    頚椎レントゲンは正常で加齢性変化認めず。頚椎MRIにて、c5/6にて椎間板の変化及び突出を認める。
    これにより脊柱管は正中左側優位に圧排を受けている。左頚神経根の圧排が疑われる。c5/6椎間板ヘルニアの左外側型である。
    筋電図では、左上腕三等筋に慢性的な脱神経性変化の所見があり、第7頚神経根症と考えられる。
    【運動障害】頚椎部 前屈35後屈5右屈35左屈15右回旋55左回旋25
    【上肢の障害】肩関節 他動にて 屈伸右160左140 伸展 右50左45 外転右180左110 内転右75左75
    【障害内容の憎悪かんわの見通し】
    経過?ねんれいからも事故日受傷による障害で、c5/6レベルの頚椎椎間板が左側へ突出した、外傷性頚椎椎間板ヘルニア(左外側型)による、左第7頚神経根障害である。慢性的変化も出現して症状が揃っており現状を改善するには適切な手術が必要である。手術以外での治療は困難で、症状は固定される。

    • 戦略法務 より:

      後遺障害は、後遺障害診断書だけで判断されるものではございませんが、ここで書いて頂いている内容をもとに(その他の検査結果や正確な画像所見は別として)等級を考えると14級9号と予想されます。おそらく目指すは12級だと思われますが、これをこちらで判断するには少し情報が足りません。(後遺障害診断書の記述で等級自体に、あまり好ましくない部分もあります。)