交通事故で接骨院と整骨院に通院するときは後遺障害に要注意!

交通事故で整骨院などに通院をするのは被害者の自由

交通事故の受傷内容、被害者のおかれている状況によって、整骨院接骨院へ通院が行われる事があります。

ただ、この整骨院や接骨院への通院は、交通事故ではあまり通院をすべきではないという事も言われています。では、後遺障害等級の認定を得る上でどのような影響が出てくるのでしょうか?

整骨院や接骨院の取り扱い

後遺障害の認定では、整骨院や接骨院は医療機関とみなされず、その受傷の内容によっては「十分な治療を行っていない」とみなされ、等級が取り難くなるのが一般的です。等級を取りに行くためには医師による診断が必要になってきます。整骨院や接骨院では、診断を行う事ができず「診断書」が発行されないので、症状の立証ができなくなり、症状の一貫性を説明するかも?という程度にしかできません。

よって、これに対抗し等級の認定を得るには、「十分な治療を行ったにもかかわらず残存する症状があること」を説明する必要がありますが、殆どの場合、時間と費用が必要となります。すでに整骨院や接骨院へのみ通院を行っている方は要注意です。数カ月の間、整形外科などの病院に通院をしていない場合は、すでに後遺障害への道は閉ざされている可能性が極めて高いです。

まだ、数週間しか”整骨院だけ通院”をしていないという時は、その対策としては、整形外科などの医師のいる「病院」へ並行通院を開始する事です。

病院には医師がいます。レントゲンや薬の処方、血液検査により診察をして診断を行う事が出来ますが、整骨院や接骨院では、柔道整復師が施術にあたります。

症状固定時に作成する最も重要な書類の一つに後遺障害診断書(必須書類)がありますが、診断というくらいですから、やはり医師による診断は重要なのです。その診断書の作成する医師が、症状の経過を見ていないとなれば、診断書の信憑性も薄らぐという事になります。

後遺障害を調査を行う自賠責調査事務所は、「本当に痛いのなら病院に行くのが当然」と考えています。逆に言えば、接骨院に通院をしていても「本当に痛いのだろう」と思わせる治療内容であれば、万が一後遺症が残存した場合を考えても、接骨院への通院を否定する必要は全くありません。これはつまり、先ほど述べた病院と整骨院等の併用という事です。

なお、後遺障害には診断が必要なので、病院に通院を行っていない期間が長い、つまり、整骨院や接骨院だけの通院期間が長い(病院に通っていない)と後遺障害は認定されません。しかし、これは絶対的ルールではなく、西洋医学的な証拠が揃っていれば、後遺障害は認定されます。西洋医学的な証拠とは、病院で行った検査で明らかな異常が確認できたものの事です。

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  1. 中田 より:

    今年の1月24日に車同士の交通事故になりました、未だに過失割り合いは何とも言って着ません、
    病院は何軒かに行きましたが今は近くの整形外科に行き、リハビリもその病院内で毎日やって貰っています、2カ月経った今でも私の方は耳鳴りが毎日しています、あと、右手に力が未だに入りません、妻の方は足腰にきています。
    知り合いの弁護士の先生に、今回の事故の件はお願いしてありますが、弁護士の先生が私の入っている保険会社の顧問をやっているので、保険会社にも余りの事も言えないのでは、と思っています、でも相手の保険会社はアメリカンホームダイレクトですので、関係は無いと思いますが、未だに何とも言って来ていません、出来れば後遺障害を取れれば、と思っています。

    • 戦略法務 より:

      2か月経過してその症状が残っているとすればMRIが必要です。耳鳴りについては少し遅いですが、一応耳鼻科に行く必要もあります。後遺障害へは、行うべきことがいろいろありますので、弁護士先生に聞くなど、準備を行っておいた方がよろしいかと思います。
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  2. みなみどうせつ より:

    医師の同意を得て、針灸、マッサージ治療院へ通院した場合も病院へ通院したとみなされ慰謝料計算通院日数に含まれますか。いろいろお答え頂いて感謝申し上げます。

    • 戦略法務 より:

      通院慰謝料に該当します。ただし、減額される可能性はあります。

  3. 福島 より:

    福島と申します。質問したい事がありますのでメールさせて頂きました。交通事故の被害者で過失は10:0。頸椎捻挫で66日間通院したのですが、まだ痛みが少し残り完治せず打ち切られ、後遺障害も非該当だったのでした。賠償額も66日x4200円の2倍計算で納得いかないのですが、何か後遺障害等級を獲得する方法か賠償額の増額する方法ってあるのですか?

    • p より:

      早速ですが、
      「賠償金の増額」というご希望であれば、後遺障害の等級に対して異議申し立てを行い、等級獲得後に交通事故紛争処理センターで示談をするという流れがいちばん「賠償金の増額」というご希望に沿う形になります。

    • 福島 より:

      返信有難うございます。ただ異議申し立てするだけで非該当から等級14級になる場合ってあるのですか?何か対策とかあるのでしたら助かります。あと後遺障害がない場合で賠償額の増額方法ってありませんか?

      • 行政書士 笠原 仁 より:

        「ただ異議申し立てするだけで非該当から等級14級になる場合」つまり、新たな診断書や意見書、検査結果など(以下、医証等)を提出しないで異議申し立てを行うという事だと思いますが、こういった場合でも等級は変更されます。

        もちろん、異議申立て書を作成するので”対策”と言えるものはございますが、新たな医証等を必要とするか必要としないかを含め、ケースバイケースで個々の事案によって判断する事になります。

        賠償金の増額とはいっても、慰謝料や休業損害、通院交通費など色々ございます。ただ、一般的には裁判所基準が高額となり、それは交通事故紛争処理センターで実現できます。