症状が立証・説明できない後遺症は後遺障害にあらず

交通事故が原因で、適切な治療を行ってもなお残ってしまった症状は後遺症となります。しかし、その症状を立証・説明できなければ、どんなに重度の後遺障害だとしても、交通事故の後遺障害として等級の認定を得られることはありません。

この症状立証・説明を行うのは被害者です。

これを任意の損保会社に任せるのは論外ですが、医師に任せるのも疑問が残ります。

わかりやすく例えれば、風邪をひいて病院に行ったとします。すると、体温と聴診器、症状を聞いて「では薬を3日分処方します」ということになります。そして、処方薬を飲んで、少々症状が残っても市販薬でやり過ごす間に自然と治っていく。これが普通の流れです。しかし、交通事故の後遺障害でこのような流れを取る事は許されません。

もし、風邪を交通事故の後遺障害として立証しようとすれば、風邪の原因であるウィルスや細菌がどういった種類のものなのかといった事を調べる必要があります。しかし、そんな検査を行う病院はありません。行わないのが当たり前です。

だからこそ、交通事故の被害者は、自らの症状に一歩踏み込み、「では薬を3日分処方します」で終わらせることなく、医師と協力をしながら症状固定となってしまった場合を考えて、個別具体的に後遺障害の準備をしなければなりません。

症状固定の準備は後遺障害の4つの大前提が基本となり、それを踏まえて個別具体的に対処していくことになります。

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  1. ミヤケ より:

    こちらバイク、車との事故で初診は全身打撲、挫創、第4肋骨骨折、で約7針程縫いました。現在、肋骨は完治し、しかし、左手首(腱鞘炎)首から肩の痛み(頸椎捻挫)→トリガー注射、一番厄介なのが左膝ご75度辺りから曲がりません。この前、膝のMRI を撮りましたが整形外科は微妙だね、としながらも異常無しだね、と診断しましたが、「じゃあ何故曲がらないのか?」と強く聞いた所、詳しくは解りませんが筋肉の狗縮か関節の狗縮かな?と言うが原因究明には至らず通院リハビリ中です。弁護士に聞くと、MRI は静止画だから、関節は内視鏡検査をして動かして診断しなさい、と言われて転院考えてます。正直、整形外科のリハビリ(温熱と、低周波のみ)では治る気がしません。また後遺症認定には医学的所見が乏しい気がします。やはり内視鏡検査した方が良いのですかね、個人的には12級7号かな?首と手首の合併で等級が上がる可能性は有りますか?

    • 戦略法務 より:

      「個人的には12級7号かな?首と手首の合併で等級が上がる可能性は有りますか?」

      いつごろの交通事故なのか不明ですが、それなりに期間は経過していると考えて、12級に該当する可能性はゼロではないと思われます。首は12級は困難と考えて、手首が12級になるかどうかだと思います。ただ、傷病名等を踏まえると手首の12級というのは妥当でないかもしれません。

      また、後遺障害に該当しないという判断もありうるので、きちんと判断しながら通院をスべき案件だと思います。(内視鏡の是非判断は難しいです。そもそも施行する病院が見つからない場合も多いです)

      何れにしても骨折と7針と縫うほどの受傷です。きちんと症状の立証に努めてください。