後遺障害診断書を書いてくれない!?

後遺障害のQ&A 【申請前】編

後遺障害診断書を書いてくれない医師は書き方を知らないか、特別な理由があるからです。きちんとした説明を行えば後遺障害診断書の作成は可能です。

後遺障害診断書の必要性

後遺障害の申請をするには必ず「後遺障害診断書」が必要になります。後遺障害診断書とは、症状固定と判断された時に医師が作成する診断書の事で、整骨院や接骨院では作成できません。後遺症が残ったことを医師が記す書式の事です。

後遺障害の等級を取るには、その申請が必要なのは当然ですが、後遺障害の申請には後遺障害診断書が必須です。また、後遺障害診断書が等級に与える影響は大きなものです。それは、「主治医が作成した後遺障害診断書に基づき等級を判断する」とされているからです。

ただし、後遺障害の診断書だけで等級が決まるわけではありません。受傷から症状固定日までの通院状況や検査内容も重要です。

また、事故後から整骨院や接骨院にのみ通院をしていた場合、交通事故発生から6ヶ月が経過してから病院に通院をして後遺障害診断書が作成されたとしても、後遺障害が認定されることはありません。重要なのは事故後すぐに病院に通うという事実です。なお、事故後に病院へ通院してその後は整骨院や接骨院に通院をして2回目の病院が症状固定時期だった場合にも、後遺障害の認定はほとんど望めない(確率として0.2%程度は認定の可能性がある)ので、後遺障害診断書を作成すること自体についてその必要性を考慮する必要があります。

極端な話ですが、後遺障害診断書に書かれていない症状や所見が、後遺障害として認定されることもあります。これは、実際にこのようなことがあった事故の全ての書類と検査結果を確認しているからこそ言い切れる事で、受傷から症状固定までの検査などによって等級が判断されることが判る事故でした。

後遺障害診断書を書いてくれない理由

そこで、交通事故の被害者は、後遺障害診断書の作成を医師に行って頂く事になりますが、なぜかこの後遺障害診断書を手に入れるために大変な苦労を強いられる場合があります。その苦労とは、医師が後遺障害診断書を書いてくれないという、後遺障害の申請ができない状況に追い込まれるときがあります。

医師は怪我を治す事が仕事で、症状が残ってしまった事(後遺症)を証明する後遺障害診断書の作成を嫌がる傾向があります。

交通事故で健康保険を使用すると後遺障害診断書を作成しない方針の病院があります。

交通事故の紛争に巻き込まれたくないがゆえに、揉めそうな患者に対して後遺障害診断書の作成を拒否する医師がいます。

交通事故として病院へ普通に通院をして、普通に治療をしていれば、100人中97人の医師は後遺障害診断書を作成してくれます。拒否する事はありません。後遺障害診断書を書いてくれないのは、つまりは、普通に通院をしていないからです。

ということは、普通に通院をしている事実を作れば後遺障害診断書は手に入るという事です。

この”普通に通院”という状況は、受傷の程度、症状の推移、通院状態、受傷からの期間、そして医師の性格によって様々で、これもまた、我々専門家がサポートをするなかで重要な課題です。

唯一つ注意をしたいのは、後遺障害診断書の作成が出来ないからといって通院をやめてしまう事は避けなければなりません。受傷の種類によっては、無通院期間が長期間発生し、その後に症状固定=後遺障害診断書の作成となっても、後遺障害認定に至る事が出来なくなるからです。もし、後遺障害診断書を作成してくれない医師がいる場合は、違う病院へ転院を行って通院を続けるのがベストです。

診断書の書き方がわからない、交通事故の紛争に巻き込まれたくないという理由から拒否する医師であれば、礼を尽くした依頼文によって、後遺障害診断書を書いて頂けるように説得しやすいですが、プライドから診断書を書かない医師については、あきらめて転院を行ったほうが賢明です。

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  1. 吉岡 より:

    お世話になります、母に代わっての質問になります。平成25年2月末日に事故に遭い(出会い頭の衝突、過失割合当方1対相手9)膝の打撲等で地元(広島県江田島市)の病院に通院治療(1週間に2~3日)しておりました、レントゲン撮影での異常は認められず3カ月たった頃に医師より治療代は健康保険で支払うように言われ(医師によれば事故の治療はだいたい3カ月だから)←この時点で転院を進言、それでも母は健康保険で通院治療継続(膝の痛みが全くひかないため)担当医師の見解、痛みがあるのは 加齢の為だと主張するのみ(事故以前は全く膝の痛みなど無し)、そこで私が総合病院でのMRI撮影の為の紹介状をお願いする旨進言したところ二度お願いしたにもかかわらず書いてくれないため私が一緒に行きお願いしたらようやく書いていただき呉市の共済病院での診断していただきました。MRI診断の結果異常が認められたわけですがこのまま現病院(江田島市の病院)での治療は後遺症認定を視野に入れての治療は賢い選択とは思えず転院する際の注意点及び後遺症認定獲得までの善良の策をご教授頂きたく質問させて頂きます、併せて一連の手続きを先生に依頼した場合の報酬額もお知らせ頂くようお願い申し上げます。

    • 戦略法務 より:

      大抵そのような整形外科の先生はMRIが分からない仙背なので、これからそこで治療を続けていくのは、後遺障害について好ましいことではありません。また、交通事故についてあまり積極的ではないようなので、良い後遺障害診断書は期待できません。おそらく後遺障害診断書は白紙に近い感じになると思います。

      よって、転院の選択となりますが、MRIでどのような所見が取れたのかも気になります。等級認定には適切な治療を受ける事・適切なMRIの撮影などが必要だからです。なお、転院の際には紹介状を書いて頂くのが一般的です。

      また、報酬については等級非該当の場合は0円、14級の場合は15万円のみとあらかじめ決まっております。
      料金案内 https://uratest.kaijisen.net/ryoukin/syoka

  2. とまと より:

    高齢者のワゴン車にぶつけられた事故です。骨盤仙骨恥骨坐骨股関節臼蓋、12箇所の骨折でした。現場近くでひと月入院。地元に転院してひと月半です。神経損傷は無く、2ヶ月安静の自然治癒後 リハビリ中です。現在入院しているリハビリ病院では、骨折が固まれば歩けるから自賠責後遺症は無いと、 認定してくれません。杖でゆっくり歩行出来ますが、痛みもひどいです。医者は痛みは神経損傷では無いし、退院後のリハビリも必要ないと、 無理解です。この先の通院リハビリも含めて、診断書を書いてくれる病院へ転院した方が良いでしょうか。

    • 戦略法務 より:

      そのような場合は、退院してからは転院をしなくてはなりません。医師にもいろいろな考えを持った方がいますので、自分の考えにあった医師がいる病院に通院を行うという事も重要です。

  3. 鎌田正志 より:

    通勤災害の怪我で任意保険の後遺症認定は併合12級と認定されたのですが労災では認定されないのでしょうか?
    又、頸椎捻挫で頸椎堆弓術を受けましたが、頚椎損傷は事故とは関係ないと処理されましたが致し方ないものでしょうか?

    • 戦略法務 より:

      通勤災害であると労災がに認められているのであれば、労災で後遺障害は認定されます。
      なお、頸椎捻挫という傷病名からして、頸椎堆弓術は交通事故との因果関係はないと捉えられます。